Debian GNU/Linuxを
Librettoにインストールしよう
ということで、早速 Libretto に Debian
をインストールしましょう。
(Windows95とDebianを共存する方法を紹介します。)
Libretto固有の問題点
1.CD-ROMドライブがない。
Librettoには標準でCD-ROMドライブが付属してきません。また、Libretto用のCD-ROMドライブはPCMCIA経由での接続となるため、Linuxで認識できるかどうか分かりません。
もし、CD-ROMドライブを持っていて、そのCD-ROMドライブがLinuxで認識できるのであれば、インストール作業は非常に簡単になります。(デスクトップパソコンにインストールする方法がそのまま使えるわけですから。)
あいにく私は、CD-ROMドライブを持っていませんので、PCMCIAのネットワークカードを使ってFTPサーバーからインストールしました。
必要なシステム・資料
1.Libretto
Libretto70にインストールしましたが、どのLibrettoでも応用できると思います。
HDD容量は、フルインストールする場合でも500MB程度あれば十分でしょう。Windows95と共存させる場合、Libretto20,30,50,60の人は1.6MB以上のHDDに乗せ変えたほうがいいと思います。
メモリは、最低でも4MB、X-Windowを動かす場合は16MBくらい必要です。Librettoは最低でも8MBのメモリを搭載していますので、X-Windowを使わないのであれば、問題ないと思います。Libretto20,30でX-Windowを使いたい人はメモリを増設したほうが良いでしょう。(増設しなくてももちろん動きます。)
HDDやメモリについては、Linuxのインストール本などを参考にしてください。
2.PCMCIAのネットワークカード
Debian GNU/Linux で使用できるPCMCIAのネットワークカードが必要です。NE2000互換のインタフェースをもつネットワークカードであれば、たいてい使えます。逆に100BaseTのものや、特殊なものは使えないことが多いです。詳しくは pcmcia-cs のドキュメントを見てください。
3.Debian GNU/Linux のCD-ROM
Debian GNU/Linux の入っているCD-ROMが必要です。ただし、インターネット上のFTPサイトから直接インストールする場合は必要ありません。
CD-ROM は UNIX USER 98年12月号(ソフトパンク) や エーアイムック(エーアイ出版) などの雑誌に付録として付いてきます。
私は UNIX USER の付録の Debian GNU/Linux v2.0 を使用しました。
4.FTPサーバー(CD-ROMからインストールする場合)
Debian GNU/Linux のCD-ROMにネットワーク経由でアクセスするため、FTPサーバーを用意してください。FTPサーバーは、UNIX系OSで動作させることをおすすめします。Windows系のOSの場合、CD-ROM内のファイル(特にリンクファイル)が正しく再現されないため、正しくインストールできない可能性があります。
私はデスクトップパソコンに Debian GNU/Linux をインストールして、そのデスクトップパソコンをFTPサーバーにしました。
準備
1.HDD領域の確保
あらかじめHDDにインストールする領域を開けておいてください。FIPSなどのツール(フリーソフト)を使えば、空き領域の作成などが簡単にできます。
それから、基本システムのインストール用のファイルをWindows95のパーティションに置く必要があるため、Windows95のパーティションの空き領域も50MBくらい必要です。
2.インストールファイルの準備
適当なディレクトリを作って(ここでは c:\debian とします)、そこにインストール用ファイルを置いてください。必要なファイルはDebianのパッケージの以下のファイルです。
trans.tbl
/bo 以下のファイル(パッケージによって名前が変わります)
/boot 以下のファイル
/contrib 以下のファイル
基本システムのインストール
まず、MS-DOSモードで起動してください。
Debianのファイルが c:\debin
以下に置いてあると仮定します。
chev us
c:
cd \debian\boot
loadlin linux root=/dev/ram initrd=root.bin(英語モードで実行していることに注意してください。)
ブートしてインストーラが起動しますので、とりあえず適当に進めてください。
作業を進めていくと、パーティションを確保する画面になりますので、rootパーティションとswapパーティションを確保してください。
更に作業を進めていくと、インストールファイルの場所を聞いてきますので、harddisk
を選択して、/dev/hda1 を選択してください。
インストール中に、/dev/hda の Master Boot Record を作成するか聞いてきます。ここで Yes と答えると最悪の場合、Windows95 も Linux もブートしなくなりますので注意してください。Librettoの場合内臓FDDがありませんので、ブートしないということは、もうどうにもなりません。(外部FDDを使うか、HDDを他のパソコンに接続して Master Boot Record を元に戻すか、などの方法で復旧するしかありません。) Linux のブートは DOS からでも可能ですので、個人的にはこちらの方法をお奨めします。
DOSからLinuxを起動する方法
loadlin コマンドを使えばDOSからのブートは簡単です。
chev us
loadlin zimage root=/dev/hda2 rozimageがカーネルイメージファイルで、/dev/hda2 がrootパーティションですので、環境に合わせて変えてください。
この一連の作業をバッチファイルにしておけばいいでしょう。
インストールが終わったら、再起動してLinuxを起動させてください。
chev us
c:
cd \debian\boot
loadlin linux root=/dev/hda2 ro
起動すると、初期設定画面になりますので、初期設定をしてください。
パッケージインストール画面になりましたら、Quitで抜けてください。(ファイル名の関係で現時点ではインストールできません。)
基本パッケージのインストール
パッケージをインストールする前にパッケージファイルのファイル名を本来の名前に変換しなければなりません。
まず、パッケージファイルのあるWindows95パーティションをマウントします。
mkdir /dosc
mount -t dos /dev/hda1 /dosc
これで、/dosc 以下にWindows95パーティションが見えているはずです。
次に、ファイル名を展開するスクリプトを作成します。以下のスクリプトを extrans というファイル名で作成してください。(入力が面倒な方はダウンロードしてください。)
#!/bin/sh
-f pushd . cd $1 find . -type d -printf "mkdir %h/%f\n">/tmp/001 popd pushd . cd $2 /bin/sh -f /tmp/001 popd pushd . cd $1 find . -name trans.tbl -printf "cat $1/%h/%f|sed -e \"s/;1//g\"|sed -e \"s/\\. //g\">$2/%h/%f\n">/tmp/002 popd /bin/sh -f /tmp/002 pushd . cd $2 find . -name trans.tbl -printf "cat $2/%h/%f|awk \"{print \\\$1 \\\" $1/%h $2/%h \\\"tolower(\\\$2) \\\" \\\" \\\$3 \\\" \\\" \\\$4}\"\n">/tmp/003 popd /bin/sh -f /tmp/003>/tmp/004 cat /tmp/004|awk "\$1==\"F\"{print \"ln -s \" \$2 \"/\" \$4 \" \" \$3 \"/\" \$5}">/tmp/005 /bin/sh -f /tmp/005 cat /tmp/004|awk "\$1==\"L\"{print \"ln -s \" \$3 \"/\" \$6 \" \" \$3 \"/\" \$5}">/tmp/006 /bin/sh -f /tmp/006 cat /tmp/004|awk "\$1==\"D\"{print \"ln -s \" \$3 \"/\" \$4 \" \" \$3 \"/\" \$5}">/tmp/007 /bin/sh -f /tmp/007 |
このスクリプトを使って、ファイル名を展開します。展開後のファイルを/debian以下に置くことにします。
mkdir /debian
sh -f extrans /dosc/debian /debian
しばらく時間がかかります。終了すれば、/debian以下にファイルが展開されているはずです。
これで、パッケージのインストールが可能になりましたので、dselect
コマンドでパッケージをインストールします。
dselect
Accessを選択して、mounted
を選択します。そして、Top Level? に対して /debian
と入力します。あとはリターンキーを押せばメニューに戻ってきます。
次にUpdateを選択します。そしてSelectでインストールするパッケージを選択します。ここでは、デフォルト設定にしてください。(そのままリターンを押せばOK)
そして、リターンを押していけば勝手にインストールされます。
これで、基本パッケージのインストールは完了しました。あとは、再度dselectを起動して、自分の好きなパッケージを入れてください。
PCMCIA ネットワークカードのインストール
dselectで pcmcia-cs と pcmcia-module と pcmcia-source をインストールしてください。pcmcia-module はカーネルのバージョンに合ったものにしてください。まずネットワークカードがLinuxでサポートされているかを確認してください。/usr/src/modules/pcmcia-cs/SUPPORTED.CARDS に情報があります。サポートされていないカードでも、サポートされているカード(NE2000など)と互換のあるカードでしたら使えることが多いですので、一度試してみてください。
インストールが終わったら、Linuxを再起動させてネットワークカードを入れておいてください。
ブート時に cardmgr
が起動してネットワークカードを認識すればOKです。認識しない場合でも、カードの種類が表示されますので、これを/etc/pcmcia/config
に追加してやれば動くことが多いです。(私のカードもこの方法で認識できました。)
無事に認識したら、/etc/pcmcia/network.opts を正しく設定してください。設定後ネットワークカードを一度抜いて差せば、この設定が有効になるはずです。